リユース市場規模・成長トレンド¶
日本のリユース市場は2009年以降、15年連続で拡大を続けている。業界標準の出典であるリユース経済新聞(旧リサイクル通信)「リユース業界の市場規模推計」を軸に、最新の規模とトレンドを整理する。
市場規模の推移¶
| 年 | 市場規模 | 前年比 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 2022年 | 2兆8,976億円 | +7.4% | リユース業界の市場規模推計2023(リユース経済新聞) |
| 2023年 | 3兆1,227億円 | +7.8% | リユース業界の市場規模推計2024(リユース経済新聞) |
| 2024年 | 3兆2,628億円 | +4.5% | リユース業界の市場規模推計2025(リユース経済新聞) |
| 2030年(予測) | 4兆円規模 | — | リユース業界の市場規模推計2025(リユース経済新聞) |
出典について
上記はリユース経済新聞社(旧リサイクル通信)の独自推計で、業界で最も広く参照される数値。2024年は2009年以降15年連続の拡大となった。書籍版の「リユース市場データブック2025」には2040年までの市場予測が収録されている。公的調査としては環境省「令和6年度リユース市場規模調査報告書」も参照できる。
セグメント別市場規模(2024年)¶
出典はいずれもリユース業界の市場規模推計2025(リユース経済新聞)。
| セグメント | 2024年市場規模 | 前年比 | 事業スキームの参照先 |
|---|---|---|---|
| 衣料・服飾品 | 6,392億円 | — | 総合リユース小売 |
| ブランド品 | 4,230億円 | +15.7% | ブランド・ラグジュアリー |
| 玩具・模型 | 2,779億円 | +9.2% | 総合リユース小売 |
| 携帯・スマホ | 1,059億円 | +22.4%(初の1,000億円超え) | リファービッシュ |
- ブランド品と衣料・服飾品を合わせた「リユースファッション」は初めて1兆円を突破した(同出典)。
セグメントを読むポイント¶
「成長率」と「絶対規模」を分けて見る
衣料・服飾品は最大カテゴリ(6,392億円)だが前年比が記載されていない。一方、携帯・スマホは相対的に小さいが+22.4%と最高成長率。絶対規模の大きさ(市場の厚さ・仕入在庫の豊富さ)と成長率(今後の伸びしろ)は別の指標として使うこと。
「ブランド品」カテゴリの範囲
リユース経済新聞の分類では「ブランド品」は主にバッグ・財布・アクセサリー等の服飾ブランドを指す。高級時計・ジュエリーは「時計・宝飾品」として別カテゴリに計上される場合がある。引用時は年版・定義を確認すること。
販路別の動き¶
| 販路 | 2023年 | 2024年 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 店舗販売(BtoC) | 1兆1,442億円(+7.5%) | 1兆2,380億円(+8.2%) | 推計2024 / 推計2025 |
| ネット販売(BtoC) | +12.0% | +4.4% | 同上 |
| フリマアプリ等(CtoC) | +6.4% | +1.4% | 同上 |
CtoCの成長鈍化
2024年はフリマアプリ等のCtoCが+1.4%と急減速し、店舗販売(BtoC)が成長を牽引する構図に変化した(推計2025)。「フリマアプリ=成長エンジン」という前提は更新が必要。
フリマアプリの流通額¶
- メルカリのマーケットプレイス流通取引総額(GMV)は2025年6月期に前期比4%増の1兆1,209億円(日本流通産業新聞、一次資料はメルカリIR決算情報)。
- サービス開始から5年の2018年時点で累計流通額1兆円を突破(メルカリ プレスリリース)。
- 越境取引のGMVは直近3年で約15倍に成長し、2025年度に900億円規模(メルカリ プレスリリース)。
成長ドライバー¶
| ドライバー | 概要 | 出典 |
|---|---|---|
| 物価高・節約志向 | 中古品への抵抗感が薄れ、割安購入が「賢い消費」として定着 | リユース市場とは(リユース経済新聞) |
| リユースネイティブ世代 | 売買経験者人口は今後も拡大する見通し | 同上 |
| サステナビリティ | SDGs・ESG要請を受けた一次流通企業のリユース参入が増加 | 同上 |
| インバウンド | 訪日観光客の増加がブランド品等の需要を牽引 | 推計2025 |
| 円安・越境輸出 | 2024年の中古車輸出は156万6,621台・1兆5,404億円で2年連続過去最高 | 日本自動車会議所 |
引用時のルール
社内資料で市場規模を引用する際は「リユース経済新聞推計・◯年版」と年版を必ず明記する。年版により対象年・数値の改訂があるため、リンク先の最新記事を確認してから使用すること。
数字の読み方 — この市場データをどう使うか¶
「3兆円超」の実態を把握する¶
3兆2,628億円という数字は BtoC・BtoB・CtoC のすべてを合算した二次流通市場の推計値。内訳の比率を把握しておくことが重要。
成長率の読み方¶
- 2024年の+4.5%は過去5年の最低水準。CtoC(フリマアプリ等)が+1.4%と急減速したことが影響している(推計2025)。
- 「リユース市場は成長中」という大局は正しいが、サブセグメントによって成長率・成熟度は大きく異なる。投資・参入判断には販路別・品目別の粒度で見ること。
出典の信頼性とその限界¶
推計値であることを忘れない
リユース経済新聞の市場規模は業界の標準的な参照先だが、独自の推計モデルに基づく。国土交通省や経済産業省のような政府統計ではない。公的調査としては環境省「令和6年度リユース市場規模調査報告書」も存在するが、調査対象・方法が異なる。複数の出典を比較する場合は集計定義の違いを先に確認する。